西村院長の歯科コラム

口ゴボ (くちごぼ) の治療

カテゴリ:口ゴボ(くちゴボ), 歯並び 

口ゴボのイメージ

口ゴボ(くちごぼ)を治すには

口元の表情は、自然な表情や笑顔でいるとき、相手に与える印象の重要なポイントになります。口ゴボ(くちごぼ)とは、
・「口元がもっこりとした状態」
のことです。歯並びが混み合っていてデコボコとしていたり、上下のかみ合わせの前後的なバランスが取れていないと、口元も自然に見えにくくなってしまいます。美しい“歯ならび”になることで、より自然な表情と魅力的な笑顔を手に入れることができます。
口元の不自然な状態とは、
1)上顎前突(出っ歯)
2)上・下顎前突(上下の出っ歯)
3)下顎前突(受け口)
4)叢生(らんぐい歯)、八重歯
5)開咬(前歯がかみ合わず、開いた状態)
6)フレアーアウト(前歯が前方に傾き過ぎた状態)
7)空隙歯列(すきっ歯)
8)ガミースマイル(笑った時に歯茎が目立つ状態)
などに分類されます。
では、その改善する治療法についてご説明します。

1.歯列矯正

– ワイヤーによる矯正
100年以上前から行われてきた標準的な歯列矯正の方法です。ワイヤーの太さ、硬さ、弾性力、丸型、角形の断面など、様々な種類により、多様な効果が期待できます。1本ずつの歯を、コントロールしやすいという利点があります。ワイヤーは歯に固定された状態になり、毎月の来院時に調整や交換を行います。自分で取り外すことはできません。ある意味、ドクターにお任せで治すことになりますが、上下の噛み合わせを仕上げるには、小さな輪ゴムをかける必要があり、毎日の輪ゴムの交換は自分で確実に行うことが良い結果に結びつきます。
ワイヤー矯正

– マウスピースによる矯正
近年アメリカで開発されたInvisalign(インビザライン)をはじめとする、透明で自分で取り外しするタイプの矯正装置です。矯正ワイヤーには様々な種類があるように、矯正器具や材料の一つと考えられます。透明で矯正治療中であることが他の人からは気づかれにくいものですが、これで全てを改善できるというよりは、歯並びの状態に合わせて選んで使用するものになります。
装着すると目立たなくなるため、他人からは矯正中であることが気づかれにくいという長所があります。食事や歯ブラシの際以外は装着し続ける必要があり、装着の励行が必須です。また、上下の噛み合わせの状況により、ワイヤーと同じく小さな輪ゴムを入れる必要があります。マウスピースは10日前後で次の新しいものに交換していきます。歯並びの状況により、マウスピースの枚数は増減があります。歯の移動距離が4ミリを超える場合、歯の回転が大きい場合、歯を歯茎から引っ張り出す方向に動かす場合、などにはワイヤーよりは効果が不十分となる可能性もあり、特別な配慮が必要になることがあります。
特に配慮が必要な場合には、アタッチメントという突起を歯の表面に接着し、移動のための固定を増やす工夫が必要になります。「アライナーを入れれば治る」ということではなく、「アライナーをどのように使いこなして歯を移動させるか」、のテクニックが重要なポイントとなり、術者の治療方針がアライナーの一枚一枚に組み込まれています。
しかしながら、アライナーを真面目に入れていても全ての歯が想定した方向に予定通りの移動をしないこともあり、そのような場合には、もう一度、歯型を採り、アライナーの作り直しをするか、途中からワイヤー矯正に変更する可能性も考えておかなくてはなりません。
マウスピース矯正

2.セラミックなどの冠による被せ物
従来からのオーソドックスな歯の被せ物です。歯を”削ってかぶせる”ことで形や色の改善を行います。矯正より短い治療期間で治療を終わらせることができますが、自分の歯を削る必要があります。神経のある歯を削ると、歯がしみるようになったり、神経に近づいたり露出することで神経を取らざるを得なくなることがあります。できれば神経は残す方が望ましいのですが、症状により食事や日常生活に差し支えるほどになるようでしたら、止むを得ず神経を取ることも考慮に入れておくことも必要です。
セラミックでの口ゴボ治療